ドイツ語用例小辞典

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※ 実際に耳にする用例を中心に集めていますので、文語体の表現よりも、口語調の表現が多いかもしれません。
※ 大半の用例は辞書に載っていると思いますが、その代わりに実際の会話で見られる具体的な用例を挙げるように心がけています。

「こんなときはどう言うの?」というものがあれば、ドイツ語掲示板もしくはメールにてお便りください。お便りをいただいた方に回答するとともに、その用例をこのコーナーで紹介させていただきます。


当方の間違いのご指摘や「他にもこんな言い方もできるよ」というアドバイスなどがございましたら、どんどんお知らせください。メール送信はこちら
 
A
Abendland → Morgenland
abgemacht - Abgemacht! 「よし、決まりだ!」
 誰かと約束をするときに、約束が成立したら使います。法律用語で abschließen 「契約を締結する」というのがありますが、前つづりの ab- は「閉める、結んでしまう」というような意味合いを持つものです。abmachen で「約束を結ぶ」という意味になるのも、前つづりの ab- の働きによるものです。
abschrecken - Die Prüfung schreckt mich ab. 「試験が怖い(ので受けない)」
 jemanden ab|schrecken は、「〜が誰かを怖がらせる」という意味ですが、自然な日本語にすると、「誰かが〜を怖がる、恐れる」という表現になるでしょう。この表現は、通常、表題 にもあるように、「〜が怖いので(嫌なので)避ける」という状況で使われます。たとえば、「○○検定一級」を受験したいのだが、この検定試験では口頭面接 試験があるので気がひける・・・といった状況です。口頭面接試験が怖くて(嫌で)受験する気持ちが失せてしまう、といった状況を想像してみてください。 Die mündliche Prüfung schreckt mich ab. というわけです。
alleine - Das kommt von ganz alleine. 「独りでに出来る」
 von alleine, von selbst の用例です。どちらも「独りでに、自ら」という意味です。この例の場合、「うまく出来るか心配しなくても、いざとなると自然にできるよ」というニュアンスで使われています。
Analogie - in Analogie zum Japanischen ... 「日本語と同様に」
 "Analogie" は「類似、類似性」という意味ですが、生物学的な類似や解釈などの類推など、様々な方面で使えます。また、形容詞 analog もありますが、これも zu etwas3 analog という形("eine dazu analoge Situation" それと同様の状況)で使われることもありますが、このような名詞を修飾する形ではあまり用いられないようです。むしろ、"dazu analog, ..." (それと同様に・・・) という副詞句として文に添えたりするほうが多いようです。なお、形容詞 analog は、デジタル(digital)の対称語としてのアナログの意味もあります。
ander - neben anderen 「〜と並んで、〜のほかに」
 いくつかの語句を並列するとき、A, B, C neben anderen sind ... という具合に使います。これは A, B, C だけではなく他にも当てはまるものがあることを暗示しますので、「A, B, C などなど・・・」という具合に、当てはまるものをすべて列挙できないときに残りを省略する意味で使えます。似たような表現に "unter anderen (英語の among others)" というのもあります。いずれも、「他にもいろいろあるが特に・・・」「〜と並んで、〜を含めて」という意味合いがあります。
Aufschub - Dinge erledigen, die keinen Aufschub dulden 「先延ばしにできないことを済ましてしまう」
「今すぐに着手しなければならないこと」「先延ばしにできないこと」を表すのに、Aufschub (延期、先延ばし) という語を使うことができます。これには dulden (許す、許容する) という動詞を組み合わせると良く、keinen Aufschub dulden で「一刻の猶予も許さない」という意味になります。例文としては、"Ich muss ein paar kleine Dinge erledigen, die keinen Aufschub dulden." (先延ばしにはできないことを少し済ましてしまわなければならない)
auskommen - Mit meinen Kollegen komme ich sehr gut aus. 「同僚とはとてもうまくやっているよ」
 mit jemandem auskommen で「〜と折り合う」という表現です。「彼はつきあいやすい人だ」というようなときには、Mit ihm ist es gut auszukommen. と表現することができます。他に、「(折り合いをつけるという意味から転じて)やりくりする」という解釈も可能で、ohne etw4 auskommen 「〜なしでなんとかやっていく」なども便利な表現だと思います。
aussehen - Es sieht danach aus, dass ... 「... の見込みがある、どうやら...の運びになりそうだ」
 aus|sehen は、第一義的には対象となるものの「外見・見た目」の評価がなされます。たとえば Du siehst heute sehr schick aus. (今日はとてもシックな格好をしているね。) / Unsere Tochter sieht genau wie ihr Großvater aus. (うちの娘はおじいちゃんにそっくりだ。) / Wie sieht es aus mit deiner Dissertation? (博士論文の進み具合はどう?) などです。これは、いわば表から見える印象や様子の描写です。
 それに対し、主語を非人称にし、かつ nach という前置詞を使って「... という見込みがある、どうやら...という運びになりそうだ」といった言い回しもできます。nach のところは nach Regen (雨が降りそうな気配) のように名詞表現を使うこともあれば、danach, dass es regnet (意味は同じ) のように副文を使うこともできます。私が個人的にドイツ人からもらったメールには
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Es sieht danach aus , dass man an diesem Wochenende das Alstervergnügen haben werden. Die Außenalster ist so weit zugefroren, bis 20cm, dass wir dort Schlittschuh laufen können.
(どうやらこの週末にはアルスター湖でのお楽しみがありそうだ。アルスター外湖がスケートが滑れるほど(20cmばかり)氷がはったのだ。)
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というのがありました。この「どうやら...になりそうだ」というのがこの表現の日本語対応訳です。ちなみに、アルスター湖とは、ドイツ北部の町・ハンブルクにある湖です。アルスター湖がスケートリンクになるのは、実に1997年以来のことだそうです。
 
B
behilflich - Ich freue mich, wenn ich dir etwas behilflich sein kann. 「少しでもお役に立てるなら、嬉しいことだ」
「何かお手伝いしましょうか?」と声をかけてみようとするとき、どのように切り出せば良いでしょうか。動詞 helfen を使うことが真っ先に思い浮かぶかもしれません。"Darf ich Ihnen helfen?" という具合です。あるいは、店員さんが言う "Was kann ich für Sie tun?" を応用した "Kann ich etwas für Sie tun?" なども使えそうです。その他には、動詞 helfen の関連語である形容詞 behilflich も使えます。たとえば、"Darf ich Ihnen behilflich sein?" とすれば、先の helfen を使った表現と同一になります。特に書き言葉で、少し遠回し(婉曲的)に表現する場合には、"Ich freue mich, wenn ich Ihnen etwas behilflich sein kann." のように言うこともできます。「お役に立てるとすれば嬉しい限りです。/お役に立てれば幸いです。」というニュアンスです。
beinhalten 「〜を含む、〜を内容として持つ」
 ドイツ語からドイツ語が作り出された造語の一つです。元の単語は名詞 "Inhalt"(内容物) です。これに他動詞を作る接頭辞 be- を付け、動詞の不定形を作る -en を語尾に付けると、be-inhalt-en となり、これで立派な動詞になります。ある名詞(もしくは形容詞)に、接頭辞と語尾 -(e)n を付けて動詞化するという造語はかなりの生産性があります。たとえば、形容詞 "besser" (ベター)に接頭辞 ver- と -(e)n をつけて "verbessern" (より良くする、改善する) という動詞が形成されているのも、この造語プロセスによっています。
 ただし、"beinhalten" は元々は法律の世界で生み出された造語であるため、一般には "enthalten", "innehaben" などが使われるようです。be-inhalt-en を bein-halten という風に区切り目を間違えて読むことのないように気をつけましょう(笑)。
bis auf - Bei uns ist alles okay soweit, bis auf die Grippe, die ich hatte. 「今のところすべて順調だよ・・・インフルエンザにかかったことを除いてはね」
 "bis auf" は、使い分けが少し紛らわしい場合があります。本来は bis の意味がそのまま示されて「〜まで」、さらに、auf が付け加えられることによって「〜に至るまで」という意味合いになります。
  Ich habe Zeit, bis auf den morgigen Tag (bis auf morgen). 「明日まではずっと暇があります」
この例文では、「明後日の予定がどうなるかは明後日になってみなければ分からないが、明日の時点までは暇である」ということが表されています。しかし、まったく同じ文章が、別の意味を持つこともあります。
  Ich habe Zeit, bis auf den morgigen Tag (bis auf morgen). 「明日を除いて、暇があります」
この場合の "bis auf" は、「上限」を表しています。つまり、「明日になるまで(=今日の時点まで)は暇がある」という意味です。一つ目の例文では「明日」は含まれていたのに対 し、この例文では「明日」は含まれず「(未満の)上限」を意味します。ただし、多くの場合、明日を除いたほかの日はまた暇があることも含意されます。
 友達と、たとえば映画を見に行く約束をするとして、相手に都合を聞いたとき、次のような返事が返ってきたとします。
  Ich habe in dieser Woche keine Zeit, bis auf Mittwoch. 「今週は、水曜日を除いて、暇がありません」
これを、「水曜日までは暇がない」と理解して、「じゃあ、木曜日はどう?」なんて言うと、「何言ってんの?水曜日以外は暇がないって行ったじゃないの!」と怒られてしまうかもしれません。
Bock - Hast du einen Bock auf Tennis? 「テニスをする気ある?」
 "Bock" は「(ヤギ・ヒツジ・シカ・ウサギなどの)雄」のことで、"Ziegenbock" といえば「雄ヤギ」ということになります。表題は雄ヤギとは関係ありませんが、「〜をしたがっている」という用法で使われます。ちょうど "auf etwas4 Lust haben" と同じですが、Bock を使うのは俗語です。Bock は様々な慣用句に使われ、"einen Bock schießen" というと「へまをする」という意味になります。これは、かつて射撃大会で残念賞として雄ヤギが与えられていたことに由来します。
böse - Natürlich bin ich nicht böse auf dich, nur weil du etwas länger nicht geschrieben hast. 「君がしばらく連絡をよこさなかったぐらいで怒ったりしないよ」
 "auf jemanden/etwas4 böse sein" は「〜に腹を立てる、怒る、悪く思う」という意味です。ここでは、「僕は君に腹を立てたりしないよ」と言っているのですが、その後に続く "weil"文がポイントです。通常、"weil 〜" は「理由」を表すことが多く、「〜なので、〜だから」という日本語に対応することも多いですね。
 仮に、"weil Du etwas länger nicht geschrieben hast" という後半の部分をそのまま「〜だから」として訳すと、「君がしばらく便りをよこさなかったから、僕は怒ったりしない」という意味不明(?)の文になって しまいます。ここは、"nur weil" という形になっていることに注目しましょう。"nur" が付くことで、「君がしばらく便りをよこさなかったという理由だけで、僕は怒ったりしない」という具合に、うまく前半の "nicht" とも呼応しています。
brandneu 「真新しい」
 日本のテレビ・ラジオなどの広告でも、"brand-new" という言葉をよく耳にしますが、その語源はドイツ語です。それが表題の "brandneu" です。"brand" という単語は、"Brand" (燃焼、暑さ、やけど) などの意味がありますが、ここでは後に付く形容詞を強調する働きをしています。"brandrot" (焼けるような真っ赤の)という単語を見ると、"brand" の役割がよく表れているような気がしますね。「非常に」という意味ですので、"ganz neu" と言い換えても同じです。
 
CD
dafür - Ich kann jetzt etwas länger arbeiten, so hab' ich auch etwas mehr Geld zu Verfügung, dafür aber leider etwas weniger Zeit.
「(今までより)幾分長く働けるので、お金に自由は利くが、その分残念なことに時間が今までよりも少なくなる」

 連続して3つ比較級が出てきました。一つ目は "länger" (原級は "lang")、二つ目は "mehr" (< "viel")、そして三つ目は "weniger" (< "wenig") です。いずれも "etwas" を伴っていますが、これは「ちょっと」という意味合いで使われています(ちょっと長い、ちょっと多い、ちょっと少ない)。
 ここでのポイントは "dafür" です。ここでは「その代わり〜」というニュアンスです。"für" には次の例に見られるように「代償、代価」を表す用法があります。"Ich habe dieses dicke Buch für nur 2 Euro." (この分厚い本をたったの2ユーロで買ったんだ)/ "Das möchte ich für mein Leben gern tun." (僕はそいつを(命に代えても)したくてしたくて仕方がない) 等々・・・。
 なお、"etwas4 zu Verfügung haben" というイディオムは "Verfügung" の項をご覧ください。
damit - In diesem Jahr wird es nichts damit werden. 「今年はそれは無理だろうなぁ」
 それについては(damit)何も(nichts)ない、ということで、「それは不可能だ」ということを表す表現です。Es ist nichts damit. 「それはダメだ」というのが典型的な表現です。ここでは、未来形(助動詞 werden)で表されており、たとえば「今年はドイツに旅行に行けるか?」ということに対して、「今年は(今のところ)それは無理だろうなぁ」というよ うなニュアンスです。
dato - bis dato 今日まで
 dato は、ラテン語です。ドイツ語で Datum といえば「日付」を意味しますが、これは本来はラテン語の datum から来ています。dato は datum の与格(ドイツ語文法でいえば3格)の形です。意味は「この日」です。言い換えると「今日という日」というわけです。bis dato で、「今日というこの日まで」、すなわち「今日まで、今まで」という意味になります。
deshalb - Schön, dass es dir gut geht, deshalb musst du aber mehr schonen. 「君が元気なのは良いが、もっと体をいたわらないといけないよ」
 "deshalb" は前の文章を受けて「〜だから」という使い方をします。Er ist krank. Deshalb kam er gestern nicht. 「彼は病気だ。だから昨日は来なかったのだ」。あるいは、理由を表す接続詞 "weil" と呼応させることもあります。Er kam gestern deshalb nicht, weil er krank ist. 「彼は病気だから昨日は来なかったのだ」
 さらに、時々、"aber" や "doch" などの「逆接」の接続詞を伴って、「〜だからといって、〜だけれども」という用法もあります。"deshlab" が前の文脈を受けながらも "aber" で逆接的な主張をするのです。
 表題の例では、"(Es ist) schön, dass es dir gut geht. (君が元気なのは嬉しい)" という文脈を受けて、deshalb.... (だから・・・) の後に、"aber" (とは言うものの・・・) が来ることによって、「君が元気なのは嬉しいことだけど、だけれども君はもっと体を大切にしなければいけないよ(日頃の君はちょっと生活が不規則すぎるん じゃないのかい?)」などというような使い方が出来ます。
 
E
Eile - Manchmal zahlt sich Geduld mehr aus als Eile.
「急ぐより辛抱したほうが報われる場合がある」

 ここで使われている動詞は aus|zahlen です。これは文字通り「支払う」という意味があります。また、sich (再帰代名詞)がありますので、「自らに〜を支払う」という意味合いになります。これは、自分に対して支払えるお金ができるということですので、「利益が 生じる」という意味です。すなわち、sich aus|zahlen で、「利益となる、報われる、しがいがある」というニュアンスで良いでしょう。
 さて、表題の例では、Geduld (辛抱すること) が報われると表現されています。さらに比較級 mehr als... が併用されていることにも注意。mehr als Eile (急ぐよりも〜)。「急ぐよりも、辛抱したほうが多く報われることがある」・・・そうです、日本語の「急がば回れ」の意味合いと似ていますね。
Eile - Eile mit Weile. 急がば回れ。
 「Weile (しばしの間) を持って急ぎなさい」という意味。eile と w-eile の韻が響きをリズミカルにしています。
Einfachheit - der Einfachheit halber 「ことを簡単にするために、便宜上」
# halber は、wegen と同じ意味を持つ前置詞で、目的語には2格名詞句を取ります。表題の例では、der
# Einfachheit が2格名詞句(女性名詞の2格)ですね。通常は halber は名詞句に後続します。その意味では
# 「後置詞」と言っても良いかもしれませんが ^^; いちおう「前置詞」として区分しておきましょう。
# Einfachheit 「簡単さ、単純さ」のため(halber)という慣用句です。通常、"der Einfachheit halber" という決まり
# 文句で使われることが多いです。
Einzug - Der Herbst hält Einzug. 秋の訪れだ。
 季節(四季)は、一つが去ると一つが訪れます。ドイツ語では、その季節の移り変わりを次のように様々に表現できます。@〜Iは、これから徐々に秋の気配が深まろうとしている状況を表しています。
 @ Der Herbst kommt.
   文字通りです。「秋が近づいて来ている」
 A Der Herbst hält Einzug.
   「秋のご入場!」 "Einzug halten" は「入場する」という意味の熟語です。
 B Der Herbst breitet sich langsam über Japan aus.
   「秋が徐々に日本全体に広まってきている」 秋の足音が全国各地で聞こえはじめている様子です。
 C Es wird langsam Herbst.
   「そろそろ秋になる」 文字通りでした。
 D Zum Start in den Herbst [...]
   「秋のはじまりにあたって…」 後ろに文が続きますが、この句で秋のスタートを表現。
 E Herbst streckt weiter seine Fühler aus.
   「秋がその触手を伸ばしつつある」 "(der) Fühler" は「(イソギンチャクなどの)触手」です。
   なお、この表現は、春(Frühling)に対して使われることが多いようです。
 F Der Sommer ist schon wieder Vergangenheit.
   「夏はもう過ぎ去ってしまった」
    直訳すると、「夏は今年もまた過去のものになってしまった」というわけですね。もちろん、
   Der Sommer ist (schon wieder) vorbei. という表現でも同じです。
 G Der Sommer bekommt schon wieder einen Dämpfer.
   「夏は失速してきている」 "Dämpfer" は「(自動車などの)消音器、(勢いを抑制する)抑制器」です。
   つまり、直訳すると「夏は抑制器を手に入れた(そして速度を落としている)」
 H Der Herbst steht vor der Tür.
   「秋はすぐ目の前だ」 つまり、「秋はドアの前まで来ている」というわけですね。
 I Die Sommersaison ist nun hinter uns.
   「夏のシーズンは今や過ぎ去ってしまった」 つまり、「夏というシーズンは過ぎ、今となっては我々の
   背後に見える」というわけです。
 次のJ〜Kは、すでに秋が訪れていることを表しています。
 J Der Herbst ist da.
   「秋はここに来ている」 そのままです。「秋だ!」
 K Der Herbst hat begonnen.
   「秋はもうはじまった」 これもそのままです。
Engel - Wenn Engel reisen, scheint immer die Sonne. (Spruch)
「天使が旅に出かけるときは必ずお日様は輝く。(ことわざ)」

 旅行の予定があるなど、どうしても雨に降って欲しくないときにはこの諺を呟いてみてください。「私は天使。どうしても晴れて欲しいから、お日様お願いします」という気持ちで。これに対応する日本の諺って何でしょう?
entgegen - Das geht glücklicherweise dem Ende entgegen. 「嬉しいことに、終わり(完成)に向かいつつある」
 entgegen は前置詞ですが、主に後置されて、etw3/jemandem entgegen 「〜に向かって」という表現になります。der Sonne entgegen 「太陽に向かって」など、青春ドラマに出てきそうですね。表題は、物事が徐々に終わり(完成)に近づいている様子を表しており、zum Ende kommen と似ていますが、zum Ende kommen は(ほぼ)終わりに到達していますが、dem Ende entgegen (gehen) だとその途上です。
Erfüllung - Mögen alle eure Wünsche in Erfüllung gehen. 「君たちの願い事がすべて叶いますように」
 この場合の mögen は、「〜が好きだ、〜したい」の意味ではなく、「願わくば〜でありますように」という願望を表す表現である。主語は Wünsche 。in Erfüllung gehen は、in Erfüllung (実現している状態)へと gehen (進む) という意味の機能動詞。つまり sich erfüllen と同等の意味を持つ。
 
F
Fahrt - Der Sommer kommt langsam in Fahrt. 「夏が徐々にやって来る」
 直訳すれば「夏がゆっくり動いてくる」
 "in Fahrt kommen" は、fahren と同じ意味(働き)を持つ機能動詞のようなもの。止まっているのではなく、動いた状態(in Fahrt)で「始動して」やって来る(kommen)。
Familie - Das liegt in der Familie. 「それは遺伝だ」
 家族(親族 Verwandte)の中に、同じ傾向が存在することを指します。もちろん医学的な意味の「遺伝」も指しますし、さらには性格上「似ている」という意味でも使えます。(例) Ich bin vergässlich, das liegt in der Familie. 「僕は忘れっぽい。それは家族共通の性格だ。(→僕が忘れっぽいのは遺伝だ。)」
fehlen - Deine Freunden werden dir sehr fehlen. 「友達と会えなくてとても淋しいでしょう」
 直訳すると「友達が君には欠けることになるだろう」という意味。「欠ける」ということは「なくて困るもの、なくて淋しいもの」というニュアンスになり、"Du wirst deine Freunden vermissen." と似た感じになります。もちろん、ニュアンスとしては vermissen のほうが「なくて困る、なくて淋しい」の意味は強いですが。
flehzen - sich flehzen (ugs.) 「ふ〜」とリラックスする。(俗語)
 若者言葉。歩き回ってやっとのことで家にたどり着いてホッと一息。或いは、やっとのことで見つけたカフェに入って座って「ふぅ〜」。この状態です。あまり使うことはないかもしれませんが、親が疲れてだらけている子供に向かって、"Fliehz dich nicht so!" (そんなにだらっとしなさんな!)という風にはよく使われるようです。
 活用は、du fliehzt dich / er fliehzt sich という変化です ("stehlen"と同様)。
freuen - Ich freue mich, von Dir zu hören. 「君の様子が聞けてうれしいです」
# 相手からの手紙やメールに返信する場合、メール(手紙)をもらったことで相手の近況が
# 分かりうれしかったことを伝える言い方です。
# "Vielen Dank für Deinen Brief (Deine eMail)." (お便りありがとう) と並べて使うと良いでしょう。
freuen - Freut mich, Sie kennen zu lernen. 「お会いできて光栄です」
# 初対面の人と自己紹介をしているとき、あるいは後で書く礼状などに使えますね。
# 正確には Es freut mich, Sie kennen zu lernen. です。実質上の主語 [Sie kennen
# zu lernen] (あなたと知り合うこと) を形式主語の es が受けている構文ですが、
# es が入ると若干形式ばったニュアンスになるため、通常 es は省略されることが多いようです。
# 他に、Es ist schön, Sie kennen zu lernen. などの表現もあります。
# 「お会いできて光栄です」と言われたら、「こちらこそうれしいです」(Ganz meinerseits.)と
# 受け答えすると、心のこもった会話になりますね。
für - Für einen berühmten Ort war es hier sehr dunkel und schäbig.
「有名な場所のわりには、ここはひどく暗くてみすぼらしい」

 日本語の「〜のわりには(〜にしては)・・・だ」という表現に対応しています。その意味合いを持っているのは前置詞の für ですが、この für には etwas4 für Unsinn halten (〜をばかげたことと見なす)や etwas4 für ernst nehmen (〜をまじめにとる) などに見られるように、「判断基準」を示す役割があります。そこから、表題のような文の場合、「ここを有名な場所であると見なすと、(それにしては) 余りにも暗くてみすぼらしい」という意味合いが出てきます。
 ちなみにこの表題の例文は映画化もされた『ハリーポッターと賢者の石』(ドイツ語訳版)の中の一文です(独題 "Harry Potter und der Stein der Weisen")。[Joanne K. Rowling: Carlsen Verlag GmbH, 1997, S. 77] 余談ですが、この『ハリーポッター』人気はドイツでもすごく、Berlin ist gepottert! という記事をよく目にするようになりました。pottern という造語が出来ているんですね。
 
G
ganz - Ganz sicher bin ich nicht, aber ... 「100%の自信ではないんだけど・・・」
 何のことはない表現ですが、ちょっとしたニュアンスが含まれています。この ganz sicher ... nicht という語順では、nicht が作用(否定)するのは "ganz sicher"全体です。この場合、「100%とは行かないんだけど・・・でもそれに近い(100%に近い)自信はあるんだ」というニュアンスになります。アクセントは gánz にあります。
 もちろん Ich bin nicht ganz sicher. (アクセントは nícht )ということも出来ますが、ごく一般的な言い方ですので、どうしても nicht の否定の働きはそれほど大きくありません。単に「完全に自信があるわけではない」という事実を述べているにすぎません。表題の語順のほうがインパクトがあるのは、"ganz sicher" が文頭に置かれて強調されているためです。「完全な自信」というものを引き合いに出しておいて後でそれを否定(nicht)するというのがポイントです。Ich bin nicht ganz sicher. だと、引き合いに出して強調する(焦点を置く)要素が欠けているので、どうしてもインパクトが薄い否定になってしまいます (否定は否定ですが)。「100%とはいかないんだけど・・・でも自信はあるんだ!」という微妙なニュアンスを表現するには、表題の言い方がピッタリです。
Gebühr - Gebühr entrichten = bezahlen 「料金を支払う」
 「(お金を)支払う」という表現は bezahlen が一般的ですが、ちょっと高尚な言い方をすると entrichten を使って表現することができます。Gebühr entrichten や Pfand entrichten などです。ちなみに、Pfand は、環境のためにビールやジュースなどの缶(Dosen)を回収するためのデポジットとしてよく知られていますね。Dosenpfand などという言葉で使われます。もちろん、entrichten を使わなければ Gebühr bezahlen や Pfand bezahlen と表現すれば良いのです。ただし、Rechnung については eine Rechnung begleichen という表現が用いられます。これも、もちろん eine Rechnung bezahlen で置きかえられます。
Gedanke - mit dem Gedanken bei 〜 sein 「心は〜にある」
 Gedanke(考え、思考)は男性弱変化名詞で、3格支配の前置詞 mit と結びつくと Gedanken(単数3格)に変化します。mit dem Gedanken で「思い(心)を伴って」という意味で、さらに bei 〜 sein「〜にいる」を組み合わせると、「心(だけ)は〜にある」という表現ができます。Er ist mit dem Gedanken schon bei seiner Reise.「彼の心はもう旅先にある」や Du bist weit weg mit dem Gedanken.「君は心ここにあらずだ」などの用例があります。
Gefallen - Ich bitte Sie um einen Gefallen. 「お願いがあるのですが」
 ここでの Gefallen の意味は、「好意」とか「親切」です。しかし、この表現は依頼する内容が大きい場合に使うそうです。たとえば金銭などを依頼する場合です。ただし、"Ich möchte Sie um einen Gefallen bitten."というだけでそれは和らぎます。あるいは、"Könn(t)en Sie mir einen Gefallen tun?" ということも可能です。
gehen - (Es) geht so. 「このままで結構です」
 "gehen" という動詞は「物事の状態」を表すことがあります。よく見かけるものには、"Wie geht es dir? - Danke, es geht mir gut." というものがありますね。ここでの "gehen" も状態を表す動詞として使われています。重たそうな荷物を持っていて、誰かに「持ちましょうか?」と訊かれたときに「(このままで)大丈夫です」というニュアンスです。"Es geht schon." ということもあります。たとえば、狭いバスの車内で降りようとしているときに周りの人がスペースを空けてくれるようなとき、そのスペースが十分なら「もう十分です。大丈夫です」と返答することができますね。また、"(Es) geht so." には「(程度が)まあまあ」という意味合いもあります。"Hast du auf mich schon lange gewartet? (長いこと待ってくれた?) - Es geht. (まあまあね)" など。
 参考として、下の "Du bekommst es so" の項もご覧ください。
gehen - Es ging nicht schneller. 「急いだんだけど間に合わなかった」
 上で挙げた表現と同じで、ここでも "gehen" が「物事の進行」の意味で使われています。「事態 (es) はそれ以上速く (schneller) は進まなかった (... nicht ...)」というのが直訳です。「精いっぱい急いだけど、遅刻した」というときに、自分としてはそれ以上ないというところまでやれることをやった、しかし 事情はそれに反したのだ、ということを表します。
 schneller は形容詞・副詞 schnell の比較級です(ここでは、動詞 gehen を修飾していますので副詞)。ging は動詞 gehen の過去形です。
 schneller のところを besser (< gut) とすれば(→ Es ging nicht besser.)、「最大限努力したんだけど、それが精いっぱいだった/それ以上は無理だった」といった表現になります。他にも billiger (< billig) を使えば「食い下がって目いっぱい値切ったけど、それ以上は無理だった」、früer (< früh) ならば「もっと早くにしたかったけど、それが精いっぱいだった」(たとえば「連絡をもっと早めによこしてくれないと困るじゃないか」と言われたりしたとき の返答として)などとなるでしょうね。
gesund - Bleibe (schön) gesund! 「元気でね」
 「元気なままいてね」の意味の命令文です。もちろん "Bleiben Sie gesund!" と言えば、丁寧な表現になります。手紙の最後に書くと、「それではお元気で。」の意味で使えます。
 
H
Hand - Das liegt (klar) auf der Hand. 「それは明白だ」
 「手(Hand)」というのは「自分の手の内」や「手のひらを返す」という表現にも見られるように、何か自分の信念や意思に結びつくことが多いですね。そのため、体の部位の中でもよく確固・確実性を表す表現に用いられやすいわけです。
 表題の表現は、「何かがはっきりと手の内にある=明白である」という慣用句。"klar" を挿入して明白な意味合いを強調しても良い。例文としては、"Die Notwendigkeit des Umweltschutzes liegt heute auf der Hand."(環境保護が必要なことは今日では当たり前のことである)。
her - Es ist schon eine Weile her. 「もう前のことである」
 her というのは、hin と対義語をなし、自分のいる位置(場所・時間的)から見て her (向こうからこちらへ) - hin (こちらから向こうへ) を意味する。疑問詞の woher と wohin が、wo + her/hin であることを考えるとわかりやすい。eine Weile は「しばしの時間」という意味であり、何かの思い出を指し、「それが起こったのは少し前のことである」という意味合いで使われる。この eine Weile を、より具体的な日数・月数・年数にすることもでき、Es ist schon 20 Jahre her, dass die Berliner Mauer gefallen ist. (ベルリンの壁が崩壊したのはもう20年も前のことである) といった表現が可能になる。なお、2009年は、実際にベルリンの壁が崩壊して(1989年11月9日)丸20周年の記念年にあたり、ドイツ国内外で(も ちろん日本でもドイツ大使館や東京ドイツ文化センターなどで)記念行事が開催された。
hinter - Der Vortrag liegt hinter mir. 「口頭発表(講演)はもはや終わった」
 何かが終わってもはや過ぎ去ったことを表す表現であるが、とりわけ苦しかったことが無事に済んだときに用いるのが効果的である。あるいは、過ぎ去って残 念なこと、過ぎ去って良かったことにも使える。単に何かが終わったことを言い表すニュートラルな意味合いで使えないわけではないが、この例文では「君が無 事に成し遂げられるかドキドキしていた口頭発表もいまや終わって良かったね」という意味で使われている。
Hoffnung - Niemals die Hoffnung verlieren. 「希望を捨ててはいけない」
 完全な命令文ではなく、不定形の形で表してある。本当の命令文なら、"Verlieren Sie (Verliere) niemals die Hoffnung" こういう不定形は料理のレシピなどにもよく見られるものである。
hören - Ich hört's mal... 「そうそう、聞いたことがあるんだけど・・・」
 これは実はあまり意味のないフレーズで、「そうそう、そう言えばね・・・」というニュアンスに近いです。本来の意味は、「ちょっと聞いたんだけど、ちょっと耳にしたんだけど」ということです。これと似た表現で、"Sag mal..." というのがありますね。直訳すると「ねえ、言ってよ」という命令文ですが、大抵のケースでは「ねぇねぇ」という呼びかけ程度に使われ、「ちょっと教えて」という風に具体的に何かを教えてほしいときに使用される用法がそれに続きます。
 この中で出てくる "hört's" は "es" が短縮されて "'s" になっているのは分かると思います。"Was gibt's heute?" (今日は何があるの?)、"Wenn's geht..." (もし可能なら) などの用例がありますね。動詞 hören の過去形 hörte (つまり ich hörte) に "es" がついた形です。本当は、"hörte-es" ですが、音形的に弱い "e" は脱落します(二つとも)。その結果、"hört's" になります。
Horizont - Der Horizont erweitert sich. 「視野が広がる」
 Horizont はもちろん「水平線、地平線」です。広い海(地面)と空との境界線ですね。もしも海(地面)の上に何か障害物があったら、見える水平線の範囲はどうなるで しょう?狭くなりますね。限られた範囲の水平線しか見えなくなります。ここでは、これを「物の見える範囲=視野」として考えます。視野の広い人はより広い 範囲の水平線が見えるわけです。動詞 sich erweitern は、形容詞 weit 「幅の広い」から派生した動詞です。weit - weiter(比較級) - erweitern です。この動詞は他動詞なので「〜を広げる」という意味です。自動詞的「○○が広がる」という意味で使いたいときは sich(再帰代名詞)を使います。「自らを広げる → 広がる」と自動詞化します。
 「自分の視野が広がる」は Mein Horizont erweitert sich.
 「その経験が私の視野を広げた」は Die Erfahrung hat meinen Horizont erweitert.
                       Mit der Erfahrung hat sich mein Horizont erweitert.
 なお、「視野」は Horizont の他に、das Weltbild や Sichtfeld とも言えますが、das Weltbild はむしろ「一般的な知識」という意味で使いますので、あまり「物の見方」という意味には適合しないかもしれません。
 ちなみに、逆に「狭い視野しか持っていない」という慣用句は、mit Scheuklappen durch die Welt laufen を使います。Scheuklappen とは、馬が周りを見て驚きおののかないようにするために眼部につける仕切り板のことです。つまり「意図的に視野を狭くして走る馬のように狭い視野でもって世界を見る」という意味です。
Hunger- Hunger hatte Harry keinen mehr. 「空腹は、ハリーはもはや感じなかった」
 "keinen Hunger haben" は、"Hunger haben" の反対の意味(否定形)です。Harry hatte Hunger. 「ハリーは腹ペコだった」 Harry hatte keinen Hunger. 「ハリーはお腹が空いていなかった」
 "mehr" は「それ以上」という意味ですので、"Harry hatte keinen Hunger mehr." なら、「ハリーはそれ以上はお腹が空いていなかった」という意味になります。さて、表題は、本来 "keinen Hunger" であるべきものが "Hunger" だけが文頭の位置に置かれています。"Hunger ..... keinen" という具合です。これは "Hunger" が強調されているためです。このように、何か強調したいことをまず最初に文頭に持ってきて、それから文章を続けるという表現方法を 話題化(Topikalisierung) と言いますが、中でも、表題のように "Hunger .... keinen" と 非連続の単語の配列になっているものを 分離話題化(Split-Topikalisierung)または 非連続構文(diskontinuierte Konstruktion) と呼ぶことがあります。
Hut - Hut ab! 「脱帽だよ。尊敬するよ」
 文字通りです。相手を褒めるときの言葉です。敬意を表するときに帽子を取るのは万国共通なのでしょう。
 
IJ
jovial 「気さくな、陽気な、もったいぶらない」
 日本語にうまい訳が見当たりませんが、たとえばあなたが親しい同僚と廊下で出会ったとき、その同僚に「やあ、奥さんは元気かい?」などと肩をポンポンと 叩きながら挨拶を交わす状況を思い浮かべてください。この、相手の肩をポンポンを叩く気さくな打ち解けた態度を jovial で表現できます。Er hat mir auf die Schulter geklopft.(彼は気さくに私の肩をポンと叩いた)
 
K
kinderleicht 「(子供でもできるくらい)非常に簡単な」
 文字通り、Kinder (子供たち)+leicht (簡単な) から成る複合語。基礎語は形容詞 leicht なので、複合語全体が形容詞のステータスを持つことに注意。「サルでもできる〜」の意味で affenleicht もある。
Klammer - Klammer auf, .... Klammer zu. 付け足しのときに使う「カッコ ・・・ カッコ閉じる」
 実際に使える場面があるかどうかは分からないが、付け足し(補足)をする場合のカッコ。文章の朗読のときには必要かも?
klingen - Klingt so! 「そうだろうね(そんな感じだね)」
 もちろん Es klingt so. の es が省略された形です。時々、このように形式的な es は省略されます。es があると響きが堅苦しく(かしこまった)感じになる場合があるからです。たとえば、Es freut mich, Sie kennen zu lernen. (あなたにお会いできて光栄です) と言うよりも、Freut mich, Sie kennen zu lernen. (同上) と言う方がより自然に響きます。
 さて、この言い回しのニュアンスですが、klingen (鳴る、〜のように響く・聞こえる)という意味からも分かるように、「(私には)そのように響く」=「(私には)そのように思える」という感じです。日本 語の「そうだろうね。そう思ったよ。」と似たニュアンスです。
(例)
A: Hast du gewonnen? (試合に勝った?)
B: Nein... Leider verloren. (いや、負けちゃったよ)
A: Was? Unglaublich! (えっ?まさか負けるなんて・・・)
B: Unser Angreifer war verletzt... (うちのアタッカーがケガをしていたんだ)
A: Klingt so! Sonst müsstet ihr nicht verlieren. (そうだろうね。じゃないと負けるはずないもん)
Knigge 「礼儀作法のガイドライン」
 この単語は、18世紀にはじめての「礼儀作法のガイドブック」を書いた Freiherr von Knigge の名前にちなんでいます。「礼儀作法」は Etikette(単数)や Manieren(複数形)などと表現されます。「礼儀作法ガイドブック」は、それゆえ Etikettenbuch や Manierenführer、あるいは Benimmbuch などと言います。日常的に「ビジネスシーンにおける礼儀」(Business-Knigge)などのように使われる単語です。
 なお、「(〜のように)振舞う」 sich benehmen という表現も合わせて覚えておくと便利です。よく、行儀の悪い子どもに対して、"Benimmt dich!" と注意します。「(ちゃんと)振舞いなさい!」「お行儀よくしなさい」という意味です。
kochen - Ich koche vor Wut. 「頭に来ている!」
 Ich koche. で意味的には十分です。kochen は「料理する」という意味の他に「(お湯を)わかす、お湯が沸いている」という意味があります。Das Wasser kocht. 「お湯がわいた」という用例が典型的です。そこで、Ich koche. というと、「私は沸いている」と意味になります。もちろん比喩的に、「(怒りのあまり)頭から湯気が出ている」というニュアンスです。よくマンガなどで見 かけますね。怒って顔を真っ赤にして茹でダコのようになっている絵が描かれたりします。
 vor Wut のほうは、vor という前置詞が「〜のあまり」という意味を持ちます。vor Wut で「怒りのあまり」です。他にも vor Angst weinen 「恐怖のあまり泣いてしまう」などという例もあります。もちろん怖さや怒りばかりではなく、vor Freude springen 「喜びのあまり飛び跳ねる」というポジティブなケースもあります。表題の文は、「怒りのあまり沸騰する」ということです。
kollegial - Mit kollegialen Grüßen, [...] (手紙の結びの言葉)
 手紙やメールの最後に書く「結びの言葉」の一つです。
 その他、よく使われるものには、"mit freundlichen Grüßen"、"mit herzlichen Grüßen"、"Viele liebe Grüße" などがあります。ここで使われている "kollegial" という形容詞は、意味としては "freundlich" と似ています。"freundlich" は名詞 "Freund" (友達)から派生した形容詞であり、"kollegial" は "Kollege"(仕事仲間、同僚) という名詞から派生しています。 Freund (友達) と Kollege (仕事仲間)の区別は難しいですが、"kollegial" には 「良き同僚のように、いつでも協力する心積もりがある」というニュアンスが含まれています。ただし、大抵の場合、親しい相手には "mit herzlichen Grüßen" を使うことが多いようです。
(一例)
| Hallo, lieber Peter,

|    (中略)

|Mit herzlichen Grüßen,
|(Viele liebe Grüße an dich,)
| Dein Jürgen
kommen - Der Schauspieler ist im Kommen. 「この俳優はこれから売れる(人気が出る)」
 im Kommen とは、文字通り kommen 「来ている」 状態に(in)ある(sein)というわけです。何かこれから流行しそうなものやこれから売れる(人気がでる)だろうと思われるものについて使える表現で す。現在はまだ「人気が出る」までの途上にあるというわけです。人気が出たら populär や aktuell、または beliebt などの形容詞で表現しましょう。
  Der Schauspieler ist sehr beliebt. 「この俳優は、とても売れている(人気がある)」
  Der Fußballweltmeisterschaftsfieber ist bei uns im Kommen. 「サッカーワールドカップへの人気(熱、期待)がふくれあがってきている」 2006年はドイツで開催されるサッカーワールドカップの年です。2006年 はいざドイツへ!
konkludieren 「結論づける」
 本当はちゃんとゲルマン語を語源に持つ単語があるのに、ラテン語からドイツ語に取り込んでしまった語というのは少なくありません。表題の "konkludieren" (結論づける)という動詞もその一つで、英語の論文などを読んでいると "Conclusion" (結論、まとめ)という項目があると思いますが、"konkludieren" に対応する動詞は、ちゃんとゲルマン語にもあります。例えば、「結論づける、まとめる」は "folgern" という動詞がその意味を持っていますが、これはれっきとしたゲルマン語起源の単語です。このように外来語起源のものをドイツ語に取り入れてしまった単語の ことを【借用語】と言いますが(=外来語から拝借しているので)、動詞に関して言えば、大抵が -ieren という語尾 を伴っています。"ausbrechen" ((感情などが)爆発する、勃発する)という動詞があるにも関わらず、"explodieren" (同上) という語が使われるのもその代表であり、あるいは、"studieren" (勉強する) のように元来はラテン語源であっても言葉の変遷の過程(古い時代)にすでにゲルマン語化されているものもあります。"kapieren" (理解する) > capito ([伊] 理解する) のようにロマンス語族(イタリア語、フランス語、ラテン語などを総括した名称)起源ものもあれば、"tatamisieren" (日本文化に溶け込む) というものもあります。
 要するに、この -ieren 借用語は、かなり生産性の高いものであると言えます。(注:英語はゲルマン語族に属していますが、ある時期にフランス語から大量の語彙が入り込んだため、英語にはロマンス語起源の単語がとても多い。"importieren" (= hineintragen; 輸入する) などの語は、一見すると英語からの借用語に見えますが、その語源を辿るとロマンス語起源となります。)
Kopf - Kopf hoch! 「頭を上げて、元気を出して」
 動詞の省略された命令文ですが、これで慣用句となっています。元気がないと頭が下がってくるものです。頭を上げて、元気を出して。「志を高く!」というニュアンスにも通ずるでしょう。
Kübel - Es regnet wie aus Kübeln. 「バケツをひっくり返したような土砂降りだ」
 "Es gießt wie aus Kübeln." とも言うようです。バケツ (Kübeln) というのは、日本語とまったく同じですので馴染みやすいですね。es regnet も es gießt の場合も、es と いうのは形式だけのもので、天候表現には必ず使われます。es は「天」のような漠然としたものを指しているからです。
 
L
laufend - Ich halte Sie auf dem Laufenden. 「あなたに絶えず最新の情報をお知らせします」
 halten は「捕まえておく、保持する」という意味から、「あなたを捕まえておく」=「あなたとのコンタクトを保持する」という意味になります。auf dem Laufenden は、"laufen (物事が流れている、進んでいる、進行している)" からも分かるように、「最新の(進行している)情報」を指します。具体的に、"Ich halte Sie auf dem Laufenden, was der Präsident sagt." というように情報の内容を述べることもできますね。この場合、「大統領の発言を常にあなたにお知らせするよ」というスパイ(?)のような意味になります。
Lebensabschnitt - Die Schüler und Studierenden fangen im April an und der Kirschbaum blüht, so kann man wirklich sehen, jetzt geht ein neuer Lebensabschnitt für jeden Schüler und Studierenden weiter. 「桜が咲くなか、新年度が4月スタートで、まさに人生の新しい一場面が始まるという気持ちになれる」
 ここに挙げている文章は、あるドイツ人が日本では4月が新年度のスタートであるということに関して、人生の新しい1ページが桜の開花とともに開かれるこ とを美しく対比させているものです。4月に新入生として学校や大学に入学・入園したり、新入社員として社会人の第一歩を踏み出す人たちはもちろん、それ以 外の人にとっても、4月の新年度のスタートは気持ちを新たにすることのできる節目であり、人生で一度しかめぐってこないその4月(から始まる一年間)を Lebensabschnitt という一語で表してあるところがよいですね。
 
M
machen - Er macht Sprache. 「彼は言語をやってるよ。(研究テーマとして)」
 Er studiert Sprachwissenschaft. (彼は言語学を研究している) という意味で、studieren を使わなくても、日本語と同じように「する (machen)」を使えます。典型的なのは科目に限らず「シラーをやっている」(シラーの文学研究をやっている)というのが "Er macht Schiller." と言えることです。日本語と全く同じですね。
meinerseits - Ganz meinerseits. 「こちらこそ」
 「こちらこそ。私のほうこそ」という表現です。たとえば「お会いできて光栄です」 ("Freut mich, Sie kennen zu lernen." )と言われたときなどに、「こちらこそお会いできてうれしいです」という返答ができれば、和やかなやり取りになりますね。
Meinung - Die Menschen sind geteilter Meinung über das Nutzen der Impfung. 「ワクチンの使用については人々の意見は分かれている」
 Meinung が属格(2格)で表現される構文です。他にも、Ich bin der Meinung, dass ... 「私は・・・という意見だ。」 や Ich bin anderer Meinung. 「私は別意見を持っている。」 などの表現例があります。本来、sein動詞の補部は1格になるはずですが(例: Das ist ein deutscher Wein.)、今回の構文では2格が用いられています。これは、【属性記述の2格】と言うべきもので、Ich bin der Meinung, dass... の場合、「私は『・・・という意見を持っている』という属性の人間だ。」と解釈されます。いわば、Ich bin ein Mensch der Meinung, dass... と理解できるわけです。上述の他の表現例も同じです。 Ich bin ein Mensch anderer Meinung. (私は別意見[を属性として持つ]人間だ。)。
 geteilt は「別れた・分かれた・別々の」を意味し、geteilter Meinung で「分かれた意見を属性として持つ〜」と理解できます。【動詞の格支配】に依存しないという意味で、「独立的な格 (freier Kasus)」と言ってもよい現象です。
miefig - Der Mini-Rock bekam ein miefiges Image. 「ミニスカートは古めかしいものとなってしまった」
 miefig という形容詞は、名詞の Mief から来ています。Mief は、もともと、「よどんでいる空気」を意味します。換気をしない部屋に充満している空気を思い起こせば良いでしょう。これが miefig という形容詞へと派生するわけですが、miefig はもはや「よどんでいる」という意味を失い、「古めかしい、古びた、時代遅れの」という意味を指し示します。「ミニスカートは古めかしいイメージをしている」というのが直訳です。
 ただし、表題の文はあくまでも一例であって、事実とは異なる場合があります。誤解のありませんように。
 なお、余談ですが、1968年の学生運動(Studentenrevolution)のスローガンの一つに、
| Unter den Talaren      |
| der Mief von 1000 Jahren |
というのがあります。Talar (Talaren は複数形)は、神父や牧師、また大学教授が伝統的な式典などで身につけている黒い独特の服装を指します。学生運動に参加した当時の学生たちにとって、この Talar は、大学の(悪い意味で)古めかしい側面を意味し、1000年もの間大学では何の新しい風も吹いていないことがこのスローガンにこめられています。 1000年来のよどんだ空気を払拭し、大学に新しい風を!という革命精神が学生運動の大きな原動力となりました。このように見ると、Mief の原義「よどんだ空気」と miefig の「古めかしい」という意味は、類縁性があります。
Morgenland と Abendland 「東洋と西洋」
 これらの単語は対になっています。もちろん Morgen のほうは「朝」、Abend は「晩」ですが、ここではそれぞれ「日の出」と「日の入り」を考えれば良いでしょう。世界地図を広げてみると、日本の東に日付変更線が走っています(当然 ながら、実際には目に見えません^^;)。ここでは西洋と東洋が対になって考えられているわけですが、先に一日が始まる東洋が Morgenland、そして時差のため遅れて一日の始まる西洋が Abendland というわけです(ちなみに、日本とドイツの時差は、8時間です。また、ドイツがサマータイム(夏時間)適用期間中=3月最終日曜〜10月最終日曜まで=は 7時間となります)。
 「朝」は日の光を浴びて、「晩」は闇へと落ちていきますので、一般的には朝のほうが良い意味で捉えられますが、西洋が自ら「晩」の名を語るのは不思議な 気もします。なぜなら、西洋は、“自分たちを中心に”世界を見るのが好きだからです。東アジアのことを「極東」と呼ぶのも、それは西洋から見て“極東”で あるだけですし、アラビア諸国を“中近東”と呼ぶのも西洋から見た構図に過ぎません。タイやシンガポールを「東南アジア」と呼ぶのも西洋の発想です。ただ し、西洋では south-east (ドイツ語だと Südost) と言います(つまり、文字通りには「南東アジア」)。それを日本式に言い換えると「東南アジア」となります。西洋言語でnorth-west や south-east というように「南北ライン」が先に来るのは、自分たち(=西洋)が北半球にあるからだと言われています。日本では「東北地方」という言い方に見られるよう に、「東西ライン」を基準にします。
 なお、それぞれ Morgenländer 「東洋人」、morgenländisch 「東洋の」、Abendländer 「西洋人」、abendländisch 「西洋の」という派生語があります。
 
N
nach - Nach Ihnen. 「お先にどうぞ」
 もちろん、 "Ich gehe nach Ihnen." という文が省略されたものです。ドアで他の人とかち合ったとき、相手の人を先に通すときに使います。「私はあなたの後から通りますので、お先にどうぞ」という意味です。親しい相手には "Nach dir." と言えば良いですね。
nach - nach wie vor  「以前と変わらず、相変わらず ずっと」
 意味としては immer noch と同じ。「以前と同様にその後も」の意味。
 ちなみに、ドイツ語の /w/ と /b/ の発音の聞き分けは難しいと言われているが、もしこの単語の wie の /w/ の音を /b/ と聞き違えてしまうとどうなるか?nach before (独+英語)にしか聞こえないので注意 (^^)。
nachträglich - Ganz herzliche Glückwünsche nachträglich zum Geburtstag! 「遅ればせながら誕生日おめでとう」
 「誕生日おめでとう」は、"Herzlichen Glückwunsch zum Geburtstag!" というのが一般的です。表題の文章は、"Glückwunsch" を複数形にして強調し、"ganz" を付けてさらに強調してあります(herzlichen Glückwunsch という単数形でも可能)。
 "nachträglich" というのは、「遅ればせながら・・・」という意味ですが、これを知っているとお祝いを言うタイミングや返事をするのが遅くなったときに使えますね。それに 対して、たとえ遅ればせであろうがお祝いを言われるのは嬉しいものですので、そのときには "recht" の項目をご参照ください。
Notlüge - Es ist eine Notlüge. 「ウソも方便」
 直訳すると、「これは(どうしてもつかないといけない)緊急のウソである」。人を傷つけたり悲しませたりするウソはいけませんが、どうしても事の解決の ためにウソをつかないといけない場合もあるものです。でも、ウソも方便と言えるのは、自分の徳を高める場合に限るでしょうね。ウソをつくことで自分の徳を 下げるようでは、ウソをつく意味がありません。
nur - Nur weiß ich nicht genau, was man da alles schreiben soll. 「ただ、はっきり分からないのは、何を書けば良いかということだ」
 表面上は、"Ich weiß es nur nicht genau, was man da schreiben soll." と似ていますが、その場合、「何を書けば良いかということだけが、はっきりとは分からない」という意味になります。 この例のように文頭に敢えて nur が置かれている意味は、文字通り「ただ〜だけだ」というニュアンスを作り出すためです。「私が何を書けば良いかはっきりとは分からない」という事実全体が nur によって修飾されています。
nur - Aber wir schaffen das schon. Nur es dauert seine Zeit. 「ちゃんと出来るさ。ただ時間がかかるだけだ」
 一つ目の用例と同じ nur に関するものです。ドイツ語の「定動詞第二位」の原則から言えば、Es dauert nur seine Zeit. もしくは Nur dauert es seine Zeit. と言うべきところですが、この場合の nur は、もはや文から独立しています。Nur..., es dauert seine Zeit. と考えたほうが、日本語の「ただ・・・時間がかかるだけだ」にきれいに対応させることができます。
nur noch - Bitte haben Sie dafür Verständnis, dass ab 01. Januar 2002 für den Fahrausweisverkauf nur noch Euro angenommen werden können. 「2002年1月1日からは、乗車券の販売はユーロのみになります」
 2002年1月1日からユーロが導入されるにあたってバス車内に掲示された張り紙からの引用です。dass 以下の副文の主語は Euro (複数形) です。ここでのポイントは nur noch のニュアンスです。"nur" は「〜のみ」、"noch" は「もう、もはや〜」という意味合いですので、ここでは「もはや〜のみ」というニュアンスになります。「2002年1月1日からは、(ドイツマルクでの支払いではなく) もはやユーロのみで」ということです。もちろん、"nur Euro" でも良いですが、"noch" があることで、従来のドイツマルクとの兼ね合い(ドイツマルクは支払いの際にはもはや受け付けられないこと) が強調されます。
 ユーロ導入については、こちら もご覧ください。
 
O
 
 
PQ
per se 「それ自体として、おのずから」
 ラテン語の表現です。しかし論文で使える表現ですので参考までに。per はラテン語で「〜を通して」という意味です。ドイツ語でも、航空便(エアメール)を送る際、封筒に "Per Luftpost" と書くことがあります。つまり「航空便(Luftpost)を使って(per)」というわけですね。se のほうはドイツ語の sich に対応するラテン語で「再帰代名詞」と呼ばれるものです。「自分、自ら」という意味です。per se 全体として「自らを通して、おのずから」という意味の表現になります。ちなみに、ドイツ語で an sich 「それ自体として」、及び von sich 「自ら」の二つのニュアンスを per se で表せます。
Das spricht per se nichts dagegen. 「それ自体は、何も反論にはなっていないよ」
 
R
recht - Ihre Wünsche kamen nicht zu spät, denn gute Wünsche kommen immer zur rechten Zeit. 「お祝いのことばはいつ言われてもうれしいものです」
 この文は、ある人に誕生日のお祝いが一ヶ月遅れになってしまったことを謝ったときの返事です。直訳すると、「あなたのお祝いのことばは遅くなんかありませんよ。うれしいお祝いのことばはいつだって適切なときにやって来るものです」にくい台詞じゃないですか。
Rede - Von Hypothesen war schon in den vorhergehenden Kapiteln häufiger die Rede. 「仮説に関しては、今までの章ですでに何度となく触れられてきた」
 Rede には「話すこと・発言」、「演説・スピーチ」などの意味のほかに、「話題・話のたね」という意味としても使われることがあります。この場合、ふつう単数で用いられます。 "Wovon ist die Rede?" と問えば「それは何の話だ?」という質問になりますし、"Davon kann keine Rede sein." と言えば、「それは問題にならない」という意味になります。また、特定の動詞と組み合わせると、 "Die Rede kam auf ihn." (話が彼のことになった)、"die Rede auf die Fussballweltmeisterschaft bringen"(サッカーワールドカップのことを話題にする) という具合に使えます。
Rest - Der Rest ist für die Gottlosen. 「残りものは不信心者のもの」
 食事の席で、料理が少しだけ残っている、ボトルの中にワインが少しだけ残っている・・・そんな場合に使います。この表現は、旧約聖書の詩篇 (Psalm) 75,9 にある記述から作られた冗談(パロディ)に由来します。
 Psalm 75,9
 Denn ein Becher ist in der Hand des Herrn, schäumender Wein voll Würze. Und er schenkt daraus ein: Ja, seine Hefen müssen schlürfen, müssen trinken alle Gottlosen der Erde.
 「すでに杯は主の御手にあり、調合された酒が泡立っています。主はこれを注がれます。」
 旧約聖書において「杯」は祝福の杯であると同時に、神の裁きの杯でもあったようです。神を信じない者たちは、神が差し出す杯をこぞって飲み干し、酔いつぶれて倒れてしまい、神の前で裁かれる、というこんな具合の話のようです。
 そこから、(主にアルコールの飲み物の)最後を飲み干すものは聖書の中で裁かれた不信心者たちを思い起こさせ、このような表現ができたものと思われます。
Restwochenende - Ein schönes Restwochenende! 「良い残りの週末を!」
 もちろん Ich wünsche dir/Ihnen ein schönes Restwochenende! の略ですが、通常、Ein schönes ... の部分だけで通用します。Rest- なしで Wochenende(週末)という表現がありますが、土曜日に「週末」といってももう半分過ぎてしまっているわけで、「残りの週末(=あと日曜日一日)という意味で使えるようです。
Rolle - Breite spielt keine Rolle. 「幅の違いは関係ないよ」
 文房具屋さんでファイルの値段を尋ねたときの例です。厚いファイルも薄いファイルも同じ値段だったので本当かな?と不思議に思っていたら、おじさんが3回くらいこう繰り返しました。「値段の設定にとって幅の違いは関係ない」ということです。Rolle というのは「役割」であり、eine wichtige Rolle spielen なら「重要な役割を果たす」という意味です。(eine) Rolle spielen でセットで覚えましょう。
rund - rund um die Uhr 「24時間ずっと」
 die Uhr は「時間、時計」、um は「〜の周りを」、rund は「丸、ひとまわりして」という意味です。従って、「時計をひとまわりして(=24時間ずっと)」ということになります。英語の arround-the-clock という表現も同様の意味ですね。よく、銀行などが、"Wir sind rund um die Uhr für Sie! " というキャッチフレーズを掲げたりしています。これは、たとえばATM (現金自動取扱機)が24時間利用可能な場合などに通用します。
 他にも、rund um 〜 で、「〜についてのあれこれ」という意味合いで使えます。(例) rund um den Volleyball 「バレーボールについてのすべて・あれこれ」
 
S
salopp formuliert 「ラフに言うと、大まかに言うと」
 salopp は、意味としては「粗い (grob)」と同じです。フランス語 salopp からの借用語です。「大まかに言うと、大雑把に言うと」という意味で、何かを大まかに定義したいとき、大まかに結論づけたいときに使えそうです。
Schnelle - auf die Schnelle 「とりいそぎ」
 Schnelle は Schnelligkeit と同義で、形容詞(副詞)の schnell から派生しています。「迅速・急速・急ぎ」という意味です。auf die Schnelle の形で「急いで、手っ取り早く、すばやく、短期間で」などの意味で使います。auf die Schnelle Tokyo besuchen (「東京に行って、短時間だけ滞在して帰る」)などと使えます。
 なお、メールの最後に、Beste Grüße auf die Schnelle [...] のように書くと、「とりいそぎのメール」ということが表せます。
sehen - Mal sehen! 「ちょっと様子を見てみよう」
 すぐには答えを出せないとき、もう少し様子を見てみたいとき、あるいは場合によってははっきりした回答を避けたいときに使われます。「どうなるか、流れに任せて見てみよう」「どうなることやら…」などと言った意味合いです。
A: Hast du Lust, heute Abend mit mir ins Kino zu gehen?
  (今晩僕と一緒に映画を見に行かない?)
B: Hmm, ich weiß noch nicht, ob ich da Zeit habe. Mal sehen.
  (う〜ん…、今晩時間があるかどうかはまだ分からないわ。もうちょっと考えるわ。)
sehen - Wirst sehen! 「まあ見てなって!」
 もちろん Du wirst es sehen. の略ですが、「君はそれを見ることになるだろう」の意味から、「まぁどうなるか見てなって!」というニュアンスの表現になるようです。典型的には、あとで 「ほらね。言った通りだろ?」と言えるような場合に使われます。
Sicht - Es ist noch keine Besserung in Sicht. 「まだ何の改善も見込まれていない」
 Sicht は「見込み、展望」という意味で、in Sicht sein だと「見込まれている、見込みがある」、その否定表現では「見込みがない」という意味になります。ここでは、keine Besserung が否定表現ですので、「いかなる改善も見込まれていない」という意味になります。たとえば、上昇する失業率に対して何の改善も見出せないようなとき、Die Arbeitslosigkeit ist in Berlin sehr hoch, aber es ist noch keine Besserung in Sicht. などと使えます。
so - Du brauchst kein Rezept oder ähnliches... Du bekommst es so. 「処方箋のようなものは必要ない。行けばそのままもらえる」
 この例の状況は特殊(薬局で薬をもらう)ですが、so には「そのままで、ありのままで」という意味があることに注目しましょう。同様の用例に、"Es geht so." があります。たとえばお店で買い物をしたとき、持ちやすいように袋は要るか?と聞かれたときにこう答えることができます。
A: Brauchen Sie Tüte? (袋は要りますか?)
B: Nein, Danke. Es geht so. (いいえ結構です。このままで大丈夫です。)
so - Es muss so sein. Es geht nicht anders. 「そうあるべきだ。他にはありえない」
 so は「そのように」。müssen は「そうあるべき帰結」を表します。 es geht は「事が進むこと」を意味するわけですから、「anders (他のようには) 事は進まない」という意味になります。あるべき姿が一つしかないことを意味しています。
Spaß - War Spaß. 「冗談だよ」
 
もちろん Es war Spaß. である。Spaß には「楽しみ、娯楽」の他に「冗談や洒落」の意味もあるので、この意味が生まれる。何か冗談を言った後にフォローするセリフなので過去形 (war) となっている。
Spaß - Er musste seinen kleinen Spaß teuer bezahlen.
「彼はちょっとしたいたずらのつもりだったが、そのせいでひどい目に遭ってしまった」

 文字通りには、etw4 teuer bezahlen müssen という表現で、「高い値で〜を支払わなければならない」という意味です。つまり、「自分のちょっとした小さないたずら」に対して、高いお金を支払わなけれ ばいけない、いたずらの代償としてひどい目に遭う、というわけです。この表現は etw4 teuer bezahlen の他に、für etw4 teuer bezahlen という表現形式でも可能です。ちなみに、表題の文章は、『ハリー・ポッター第二巻:ハリー・ポッターと秘密の部屋』のドイツ語訳版に登場する一文です。ドイツ語版は "Harry Potter Bd.2: Harry Potter und die Kammer des Schreckens"(2001. Carlsen Verlag) というタイトルが付けられています(© Joanne K. Rowling)。
Strecke - Meine Englischkenntnisse bleiben auf der Strecke. 「英語の知識は途中で止まってしまっている」
 Strecke とは、鉄道などの線路、敷設された路線・筋道のことを指します。表題の auf der Strecke bleiben は、物事が筋道の途中で留まっていることを意味するわけです。たとえば、習い事を始めたのは良いが、途中で放り出してしまい進展がない、上達が途中で止 まってしまっているような状態です。始まりはあるが終わり(出口)がまだ見えてこない、最終到達地点には届いていない、そんな状態です。
Strich - unterm Strich 「結果として、最終的には」
 Strich は「棒線」です。よく家計簿をつけるときに、各項目の金額を記入し、最後に横棒を引いて合計を算出したりしますね。
  Tomaten (1kg)  EUR 1,56
  Milch (500g)    EUR 0,38
  Eier (10 Stck)  EUR 1,04
----------------------------------------- (これが Strich 棒線)
      SUMME  EUR 2,98  (結果)
 すなわち、unterm Strich とは、「合計を出すときの棒線の下に来る」という意味で、結果や結論という意味になるわけです。Resultat や Endergebnis と同義です。ちなみに、Strich を使った慣用句として、unter etwas einen Schlussstrich ziehen 「〜の下に棒線を引く = 物事を終わりにする」というものもあります。関連語句です。
 
T
tanzen - Man kann nicht auf zwei Hochzeiten tanzen. 「同時に二つのことはできない」
 文字通り、「同時に二つの結婚式で踊ることは出来ない」「体は二つあるわけではない」という慣用句ですね。同時に二つのパーティに招待されたりすると、この状況になるわけです。この表現を少し変えて、"auf allen Hochzeiten tanzen" とすると、意味が大きく変わってきます。「すべての結婚式で踊りたがる」という意味から「色んなことに首をつっこみたがる」という意味になります。
 
U
Uhrzeit - Haben Sie die Uhrzeit? 「いま何時ですか?」
 "Uhrzeit" は「時計の指し示す時間」のことですから、「時間をご存知ですか?」という意味になり、"Wie spät ist es jetzt?" と同じ質問です。あるいは、「時計をお持ちですか?(お持ちならば見せていただけますか?」という表現の遠まわしな言い方とも解釈できます。そう言えば、映画 『ラン・ローラ・ラン』(原題: "Lola rennt") の中で、主人公ローラも資金繰りに走り回っているときに "Haben Sie die Uhrzeit?" と切羽詰まって聞いていました。
Umstände - Machen Sie bitte keine Umstände! 「どうぞお構いなく!」
 "Umstände" は、もちろん "Umstand" の複数形です。名詞 "Umstand" は「(特定の)状況、シチュエーション」などの意味があります。"unter Umständen" といえば、「諸々の状況によって=場合よって」という熟語になります。その他に、常に複数形でのみ使われる用法の一つに表題の使い方があります。
 ここでの意味は「余計な仕事、骨折り」などです。表題の "Machen Sie bitte keine Umstände!" は、「私のために余計な仕事を増やさないでください=どうぞお構いなく」ということです。もちろん、"Machen Sie bitte wegen mir (meinetwegen) keine Umstände!" と言うことも出来ます。
Umstände - Die Umstände wollte es, dass ... 「事情があり、どうしても〜でなくてはならなくなりました」
上 述の keine Umstände と同じ意味(「(特定の)状況、シチュエーション」)を用いた用例です。直訳すると、「事情が〜することを望んでいる・望んだのだ」ということになり、 「自分にはどうしようもなかった」「ただ成り行きとしてそうなるより他なかったのだ」というニュアンスを出します。
unbekannterweise - Und auch einen schönen Gruß an deine Eltern, unbekannterweise. 「(お会いしたことはないけど)ご両親によろしくお伝えください」
 他に、"Gruß bitte deine Eltern von mir." という言い方もできます。unbekannterweise は、unbekannt (見知らぬ) な状態ながら・・・という意味です。
unsicher - unsicher sein 「おどおどしている」
 文字どおりには unsicher (不確かな・不確実な) ですので、「確実性の上に立っていないがために、行動が少し不安そうに見える」ことを指します。日本語で「おどおどしている」というとかなり否定的な意味合いになりますが、ドイツ語の unsicher sein は実際には必ずしも否定的な意味ではありません。誰でも不安を覚えるときはあるでしょう。
 なお、nicht sicher sein (確信がある) とは少し区別されます(→ Ich bin daran nicht sicher. 「それについては自信・確信がない」)。
unterliegen - Es unterliegt keinem Zweifel, dass ... 「〜は疑う余地のないことである」
 ここでのポイントは自動詞 unterliegen (etwas1 unterliegt etwas3)です。「〜の下に(自らが)ある」という意味構造からも分かるように、「〜に屈服する、負ける」という意味があります。"den Feinden unterliegen" であれば「敵に敗れる」という具体的な意味になりますし、"der Krankheit unterliegen" なら、「病に倒れる」という抽象的な意味になります。
 また、「〜の影響下(支配下)にある」という意味もあり(相手よりも自分のほうが位置関係が下という点では一つ目の意味と同じ)、「〜を免れない、〜を受ける、〜を必要とする」などのニュアンスがあります。"Die Arbeit unterliegt der Kritik." (この研究は批判を免れない)、"Die Mode unterliegt dem Wechsel der Welt." (流行は時代の変化を受ける)などです。
 
V
verabschieden - Man verabscheidet sich mit "Ciao!". 「"Ciao!"と言って別れる」
 近頃は別れの挨拶としてイタリア語の Ciao ! が使われることが増えてきました。
 ただし、ここでのポイントは Ciao ではなくて、verabschieden (名詞= der Abschied) の使い方です。Abschied (verabschieden) は「別れ(別れる)」という意味で使われますが、単なる別れる行為だけでなく「別れの挨拶を述べる」という意味合いが含まれています。従って、Man grüßt sich beim Abschied mit "Ciao!". という文はできません。日本語式に言えば、「別れ際に Ciao! と言って挨拶をする(して別れる)」ということになりますが、Abschied と Gruß は共通の要素を含んでいるので併用することはできないという例です。
verboten - Es ist doch verboten billig! 「禁断の安さだね!」
 "billig" ((値段が)安い)ということを "verboten" を付けることで強調しています。その強調の仕方が面白いですね。"sehr billig" (とっても安い) でもなく、"super billig" (チョー安い) でもなく、「禁断の安さ」なんですから。同様に、"Das ist ein verbotener Sonderverkauf." (これは禁断の大安売りだ) という表現もできます。要するに、「あってはならないほど(禁じられるほどの)」というニュアンスです。
Verfügung - So hab' ich auch etwas mehr Geld zu Verfügung. 「(普段より)たくさんのお金を自由に使える」
 "Verfügung" は「意のままにする、自由に使える」という意味があります。目的語(etwas4)を伴えば# (etwas4 zur Verfügung haben) 「〜を自由に使える(状態に持っている)」という意味になり、また自動詞(stehen など)を伴って "Ich stehe dir jederzeit zur Verfügung." (僕はいつでも君のために何でもする用意がある=用事があったらいつでも言ってくれ) という使い方もできます。
 
WXYZ
wäre - Wie wäre es denn, wenn wir zu allererst ins Ethnologische Museum gehen? 「まずはじめに民族博物館に行くのはどう?」
 ここでのポイントは wäre です。これは 動詞 sein の接続法U式ですね。用法としては、「仮定法」です。後に wenn 節が続いていることからも分かるように、「もし・・・なら」というニュアンスになります。主語である es には具体的な内容はありませんが wenn 節を受けていると考えましょう。
 もう一つ。allererst というように aller- + 形容詞の最高級 (Superativ) というのも生産的です。例えば、新しいスペックが次々に発表されるパソコンの分野などでは allerneuest (最新の) という表現がよく使われますね。Der allerneueste Rechner hat eine 200GB-Festplatte.(最新式のパソコンは200ギガバイトのハードディスクを搭載している)という具合です。
Wasser - Bei dem Gedanken läuft mir das Wasser im Munde zusammen. 「それを考えるだけでよだれが出てくるなあ」
 Wasser は「水」ですが、im Munde 「口の中で」とあることから、ここでは「よだれ、唾」の意味で使われています。なお、im Munde は im Mund でも構いません。男性名詞と中性名詞の場合、3格のときに名詞そのものに語尾 -e をつけることがありますが、これは古形です。現代語ではこの -e をつけないことがほとんどですが、zu Hause, nach Hause, zugrunde (zu Grunde) などの慣用的な言い回しにその名残りを見ることができます。
 「口の中によだれがあふれて流れてくる」という表現です。
weihnachten - Es weihnachtet. 「クリスマスになる」
 クリスマス (das) Weihnachten (まれに die Weihnachten ;複数) がそのまま動詞 weihnachten として使われています。主語には天候や時間に用いられる形式主語の es が使われます (Das Weihnachten weihnachtet. というのはおかしいですからね)。この es は Es ist 12 Uhr. (12時だ) にも見られるように、クリスマスという時候を表すのに必要な主語です。「クリスマス」を主語にするなら、Weihnachten steht vor der Tür. (クリスマスはドアの前まで来ている、すぐそこまで来ている) という言い方もできます。これは、Weihnachten に限らず、Sommer steht vor der Tür. (夏はもうすぐだ) などの応用が利きます。
weit - Damit ist es gar nicht so weit her. 「それほどじゃない、まったくそんなことないよ」
 ある噂や、人の意見に対して、「みんなが思っているほど〜じゃないよ」とか「そんなことはないよ」と否定する表現です。たとえば、 Ich habe gehört, Ihr Sohn ist ein kluger Kopf und kann auch sportlich alles gut.(「あなたの息子さんはとても頭が良くて、スポーツも万能なんですってね」)などと言われて、Nein nein, damit ist es gar nicht so weit her. (「いえいえ、とんでもない。まったくそんなことないんですよ」)と答えることができます。
weit - Nur noch einmal schlafen, dann ist es so weit. 「あと一晩だけ寝るとその日が来る」
 "weit" には大きく分けて二つの用法があります。(1)「遠い、離れている」、(2)もう一つは「〜の距離」です。(1)のほうは具体的に二つ以上のものを比べて その距離が離れていることを指しますが、(2)のほうでは必ずしも遠い距離を指すわけではありません。たとえば、"Es ist so weit, wir müssen losfahren." と言えば「さて、出掛ける時間だ/出掛けよう」というニュアンスが示すように、「出掛ける」という行動を起こす距離になった(ここでは時間的な距離です) という意味です。表題の意味も同様で、 es が指す事柄はその状況に応じて色々ですが、あと一回寝れば(=明日になれば)その距離になっている(その日を迎えている)わけです。「あと幾つ寝るとお正 月・・・」の歌を思い出す?
wert - Es war einen Versuch wert. 「試してみるだけの価値があった」
 wert は「〜の価値がある」という形容詞ですが、X ist ist etwas2 / (jemandem) etwas4 wert という構文です (X は主語、etwas2 は2格の名詞句です)。この場合の wert は金額などの"量的な"価値というよりは、"質の点で〜の価値がある" "〜するだけの価値がある" という意味合いになるでしょう。
例としては、
 - Berlin ist immer eine Reise wert. (X = Berlin /eine Reise = 4格)
 - Die Karten fürs Konzert sind mir das Geld wert. (X = die Karten fürs Konzert / das Geld = 4格)
 - Die Arbeit war nicht der Mühe wert. (X = die Arbeit / der Mühe = 2格)
Wetter - Wenn es Wetter ist, verschiebt sich die Abreise auf morgen. 「もし悪天なら、出発を明日に延ばそう」
 日本語で「天気」といえば、天候全般の意味のほかに「晴天、好天」という意味がありますね。「あ〜した天気になぁれ」「明日は運動会。天気になると良いなぁ。」といった具合ですね。ドイツ語の "Wetter"(天気)は、日本語とは反対で、「悪天、荒天」を意味します。悪天を意味する "Unwetter" という単語が省略された形だからです。"Wenn es Wetter ist..." を文字どおりに訳すと「もし天気なら…」となりそうですが、「もし天気が悪ければ…」としなければなりません。
Zeit - Wenn es die Zeit erlaubt, ... 「もし時間が許せば」
 日本語にも同じ対応表現があります。このドイツ語表現において、es は先行する具体的な内容を指すこともありますし、形式的な目的語でもありえます。この文の主語は die Zeit です。es は目的語です。人称代名詞のほうが名詞句(ここでは die Zeit)よりも先に置かれることから「目的語―主語」の順になっていますが、これは人称代名詞の特性によるものであり、珍しいことではありません。ま た、この文(副文)を主文に後続させることももちろん可能です([...], wenn es die Zeit erlaubt.)。
zu - Wer ist zu besuchen? 「誰をお訪ねでしょうか?」
 意味としては、"Wen besuchen Sie?" (誰をお訪ねですか?) と同じです。ただ、表題のように問うほうが会話では自然でしょう。ここにあるように "zu + 動詞の不定形 + sein" という構文は、英語の "be to 〜" にも対応していて、「〜されるべき(義務、必然性)」「〜されうる(可能性)」という役割を果たします。ただし、いずれも「受動」であることに注意が必要 です。例としては、"Das Buch ist leicht zu lesen. (この本は簡単に読むことができる)" や "Am Eingang ist der Ausweis vorzulegen." (入り口では身分証明書を呈示しなければならない)" などです。表題を直訳すると「誰がいま訪ねられるべき人ですか?」という意味になり、要するに「誰をお訪ねでしょうか?」という確認の問いかけ文になりま す。
zufolge - etwas3 zufolge, ... 「〜に従えば、〜に基づいて」
 これは "etwas3 nach ..." と同じです。「この理論に基づいて "der Theorie zufolge, ..."」や「噂によると "dem Gerücht zufolge..."」など、色々と使えます。通常、この zofolge は後置されますが、前置される場合には zufolge etw2 という風に2格支配になります("zufolge seines Berichtes" 彼の報じるところでは)。"nach" を使った場合も後置されることが多いですが("meiner Meinugn nach" 私の意見では)、前置された場合にも3格支配のまま("nach dem Gesetz" 法律に基づいて) です。